トップレベルのビジネススクールを対象にしたランキングがいくつかありますが、各ランキングによってスクールの順位に大きな違いがあります。元になる調査のやりかたが異なるので、そうした結果が出てくるのですが、一見するととても紛らわしいことも確かです。ここでは例を挙げながら、その違いについて少しお話ししましょう。

例えば、スタンフォードの場合、USNews and World Report誌の調査結果では1位ですが、Business Week誌では9位となっています。あるいは、ミシガンはBusinessWeekで4位なのに USNews and World Reportでは8位、またGourman Reportでは18位となっています。これはどうしてでしょう?

こうした違いが生まれる理由の一部には、調査実施の時期の違いが関係しています。US Newsは1999年3月に公表されました。いっぽうBusiness Weekは1998年10月、Gourman Reportは1997年に公表されたものです。

しかしこの時期的な違いは実はあまり重要なものではありません。いちばん重要な違いは、各調査毎に重点を置く要素が異なるためです。これに加えて、要因によってはより客観的なものと、そうでないものとがあることも事実です。

たとえば、US Newsでは以下の項目が基準として挙げられています:

評判(全体に占める比重:40%):ビジネススクール・ディーン、プログラム・ディレクター、企業採用担当者(1000名以上)が各スクールをそれぞれ評価したもの
就職成功率(全体に占める比重:35%):初任給の平均額(比重:40%)、卒業時に就職先を確保している者の割合(比重:20%)、卒業後3ヶ月を経て就職している者の割合(全体に占める比重:40%)
1998年度入学者の選考率(全体に占める比重:25%):入学者のGMAT平均得点(比重:65%)、GPAs(比重:30%)、合格者数/志願者数の割合(比重:5%)
これに比べてBusiness Weekでは、以下の二つが基準です:

学生が自らの学ぶスクールについてどう考えるかという意見(98年度卒業生の意見が半数、残りの半数が96年と94年度卒業生の解答)
企業採用担当者350名の意見
またGourman Reportのランキングは、調査項目に次のような点が含まれており、これに該当する点があるB-スクールの場合には、結果が大きく変わってくるようです:

プログラムの目的に関する定義が充分でない、あるいは誤っている
リサーチ用施設が不十分
授業またはリサーチを助ける人材が不十分
教授陣のサラリーが 不十分
教授陣への調査研究費が 不十分
学生への奨学金等が存在しないか、あっても不十分
上記3つのなかでは、US Newsの調査結果がいちばん客観的で、いっぽう Gourman Reportがもっとも主観に頼る部分を多く持っているようです。かといって、US Newsがもっともよく、 Gourman Reportがいちばんよくない調査だというわけでは、決してありません。結果の善し悪しは、それを見る各人が調査に含まれるどの項目を重視するのか、そして統計学的にどれほど信用できるのか、この2点にかかっています。

現実には、トップレベルにある各スクールには、各々独自の長所があります。ですから、ランキングの結果はスクールの質を計る上で意味のあるものですが、いっぽうで日本の大学受験の際に示されている偏差値などとは全く異なるので、杓子定規にその結果を受け止めて、志望校を決めるべきではありません。そうではなく、トップスクールを「高級ワイン」のように捉え、「自分の好みに合うモノが、いちばん美味しいワイン(= MBAプログラム)だ」と考えたほうがいいでしょう。

以下は日本人の方がビジネススクールを選ぶにあたって大切だと思われる項目です:

卒業後(主に日本国内で)新たな就職先を見つける際に、そのスクールの名前がど
れほど役に立つか否か
夏期インターンシップを含めた、就職先選定の際にどれほど支援してくれるか
日本国内での、そのスクールの「ブランド・バリュー」
スクールのある場所、およびその地域の「安全度」
スクールの「競争力」
自分が専攻する分野で、そのスクールがどの程度強いか
学生がどれほど親切で、また質が高いか
教授陣と接する機会がどの程度容易に得られるか
もうひとつ付け加えれば、もし都合がつけば、各スクールを訪問してみて、その結果から自分ならではのランキングを作ってみると良いでしょう。実際に自分の目で見てみると、ほかの情報源からは得られない貴重な情報が得られるものです。その結果どのスクールが自分に合うかどうかも判ってくるでしょう。

インターフェイスの カウンセリングコースでは、各トップスクールに関する深く踏み込んだ情報を提供しており、また各校の長所・短所もアドヴァイスしています。また自分でスクール訪問に行かれる際には、必ず事前にカウンセラーにご相談下さい。