英語の聞き取り力を研く

TOEFLの得点がなかなか上がらずに苦労しているとしましょう。なかでもリスニング・セクションなど、わざわざ自分を混乱させるために作られている、とそう思えてなりません。問題文中の言葉は途中で切れしまい、なにを喋っているのかほとんどわからず、またセンテンスも普通の疑問文の形式ではなかったり、あるいは話の主語や動詞が仄めかされていて、とまどうばかりです。たとえば次のような会話や講義のなかで出てくるイデオムというのは、まったく訳がわかりません。

Speaker 1: Bill, any suggestions for me about coordinating tomorrow’s seminar?
Speaker 2: Make sure everyone can get their two cents’ worth in.

二番目の人物はいったい何を言っているのでしょう?

“to get two cents in “というのは”to voice one’s opinion”, “to have a chance to state one’s views”と同じ意味です。

米国の大学(院)留学を目指すなら、TOEFLで満足のいく点数を得ることが大切です。この点数が充分でないと、入学許可は得られません。はっきりとミニマムの点数を示している大学も多くありますし、公表していない場合でもミニマム得点の設定がないところはめったにありません。

TOEFLで出されるリスニング・パターンを学ぶことは、総合点を上げるための基本的な戦略です。なので、もし予備校のコースを申し込む際には、英語のネイティブ・スピーカーでしかもTOEFLを教えてきた充分な経験をもつ人間が講師を勤めるのかどうかを必ず確かめてください。

さらに、英語を耳にすることを日課の一部としてください。当面の目標はTOEFLで高得点を収めることで、また中期の目標はトップレベルの大学に入学することですが、その先の一番大事なゴールを決して忘れないようにしてください。つまり、大学での授業でよい結果を収めること、そのために授業に積極的に参加し貢献するということをです(そうするためには、まずどんなことが話されているのかを理解しなくてはならない、そのことは申すまでもありません)。たとえどれほどの社会人経験があろうと、その経験を他の人たちと共有できなかったり、またはそうするつもりがないのなら、けっきょく何の意味もないことになってしまいます。

言語はコミュニケーションの手段です。そして文法とは、機械で喩えれば「ナットとボルト」、つまりそれで言葉をつなぎ合わせ考えを組み立てる、コミュニケーションには不可欠なパーツです。ただ、文法は勉強するのがとても楽しいものですが、その知識だけでは流暢な英語を喋るのには不十分です。流暢に喋れるようになるためには、実生活のなかで本物の英語を聞いたり話したりして訓練することが大切なのです。

みなさんのなかにも、別の業界に転職する準備として、大学(院)留学を予定されている方が多くいらっしゃるかと思います。そして、留学のために現在お勤めの日本企業での地位を手放された方は、卒業し帰国された後に、いまよりもっと規模の小さな会社、ご自分で始めたビジネス、あるいは外資系企業で働くことも多くなるかとも考えますが、そうした職場では流暢に英語を喋れることが必須となるでしょう。試しに新聞の求人募集欄を拡げてみてください。どれほど多くの米国企業が英語を喋れる日本人を捜す広告を出しているか。それが一目瞭然になるかと思います。

こうした点を踏まえたうえで。では、具体的にはどうすれば英語がもっと上手になれるのでしょうか。

それを知る前に、英語(あるいは他のどんな言語も)のスキルとは徐々に身に付くものである、そのことをまずご理解ください。「ローマは一日にしてならず」という格言を学校時代に習ったかと思います。TOEFL公認のガイドブックやその他の英語のテキストを勉強するほかに、実際に英語を見聞きしたり話したりするトレーニングもしてみてください。

インターナショナル・クラブやディスカッション・グループというものが日本にもいくつか有ります。こうしたものに参加して、英語を使い、ネイティブ・スピーカーの人と意見を交わす機会をつくること。
英語の新聞・雑誌に目を通すこと。黙読すると、実は自分の言葉に耳を傾けることになるので、これが聞き取りにも生きてきます。
ネットで英語の情報を読むこと。一流の英語雑誌はどれもウェブサイトを運営しており、しかもほとんどが無料です。一例をあげると、CNNサイト(http://www.cnn.com)には多岐に渡る分野の情報が毎日たくさんあげられており、自分でカスタマイズを施して、関心のあるものだけを集めた専用の新聞をつくることもできます。たとえば日本、ファイナンス、ビジネス、ビジネス・スクールといった話題に関連するニュースだけをあつめて表示させるわけです。
英語のラジオ番組を聞くこと。FENのニュース放送などがいいでしょう。
ケーブルテレビや衛星放送に加入していれば、CNN newsを見るといいでしょう。24時間ニュースを見られるのに加えて、アジア経済、テクノロジー・レポート、ドキュメンタリー、音楽、アート、ファッションなど、いろいろな情報が吸収できます。
英語のヴィデオを借りて観ること。
英語の”オーディオ・ブック”と同じ作品の書籍を購入してみること。この手を使うと、英語の語りに耳を傾けながら、文章を目で追っていけて、いっそう効果的です。作品の内容は、ためになるビジネス物や歴史書でも、あるいは楽しんで聞ける人気の小説でもいいでしょう。そうしたもののなかには、CDで出回っているものもあります。

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以下に、いま人気のある”オーディオ・ブック”のタイトルで書籍も手に入るものを、いくつか選んでみました。
” 101 American English Idioms : Understanding and Speaking English Like an American ”
マンガと判りやすい例が附してあり、それを通して理解力と発音の力がやさしくに身に付きます。 [… also available in hard copy]

” Pronounce It Perfectly in English”
– 英会話を上達することに力点が置かれているので、ESLの学生やTOEFL受験者にはとりわけ役に立つでしょう。

” American Accent Training : A Guide to Speaking and Pronouncing American English for Anyone Who Speaks English As a Second Language”
これはカセットテープとマニュアル書が一組になってもので、UCバークレーの大学院生が製作に協力しています。

” American English Pronunciation Program : For Speakers of English As a Second Language and Native Speakers With Strong Regional Accents”
来年入学後に出会うはずの教授たちのなかには、この本で勉強したほうがいいと思えるような人もきっといることでしょう。

” One Up on Wall Street : How to Use What You Already Know to Make Money in the Market”
個人投資家のためのバイブルと多くの人が評しているもので、著者は業界内で「名誉の殿堂」入りした著名なファンドマネージャ、ピーター・リンチ氏(フィデルティ・ファンド)です。 [… also available in hard copy]

” The Warren Buffett Way : Investment Strategies of the World’s Greatest Investor”
題名がすべてを語っています。 [… also available in hard copy]

” The 7 Habits of Highly Effective People : Powerful Lessons in Personal Change”
このベストセラーは、なんと1000万部も売れたそうです。 [… also available as a audio CD and in hard copy]

“The E-Myth Revisited : Why Most Small Businesses Don’t Work and What to Do About It”
いたって真面目な内容の本で、ご自分で事業を始めようと望んでいる方には役に立つ実際的なアドヴァイスが載っています。 [… also available in hard copy]

” Management Challenges for the 21st Century”
企業経営論の神様ピーター・ドラッカー氏の最新著書です。 [… also available in hard copy]

” 22 Immutable Laws of Marketing : Violate Them at Your Own Risk”
思考の糧とも言えそうな本です。このなかで示されている原則のうち、どれだけのものが日本の市場の現実に当てはまっていることでしょう。[… also available in hard copy]

” Business @ the Speed of Thought : Using a Digital Nervous System”
いまや「マスター・オブ・ユニヴァース」となったビル・ゲーツの著書です。 [also available in hard copy]

” Winning Communication Skills 4 CD Audio Program”
大切なコミュニケーションのテクニックが出ています。

” The 21 Irrefutable Laws of Leadership : Follow Them and People Will Follow You ”
リーダーたるべき人物に共通する特徴は何かを記しています。 [… also available in hard copy]

” Alan Watts Teaches Meditation”
著者は今世紀の偉大な精神的指導者のひとりに数えられており、さまざまな考えを取り混ぜた彼の哲学は禅やその他の東洋思想からも影響を受けています。

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通勤途中の時間を上手に使うこと。MBA入学を目指すにも、または入学した後でも、いちばん大切なスキルは効果的な時間の使い方を覚えることです。毎日の仕事で忙しく、さらに輪をかけて留学の準備で大忙しという方がほとんどのはず。毎日出勤される際にちょっとした時間を捻り出して、英語の勉強に充ててください。それができるかどうかによって、あとで予想以上に大きな違いが出てくるものですので。
それでは、頑張ってください。

ウォーレン・J・デバリエ
(株)インターフェイス 社長