リスニング力を向上させる方法






毎年この時期になるとトフル受験者で、フラストレーションを感じてしまう人が多く出てきます。セクション1ではかばかしい進歩が見られないためです。そうお感じになる人のなかには、セクションごとの得点のうちで一番良いのがセクション2の”Structure and Written Expression”という人が多いのですが、ただし、このテスト自体は英語の基本的な文法力を調べるものなので、簡単なルールを暗記してしまえば何とかなってしまう、そういう類のものです。またセクション3の”Reading Comprehension”では少しずつでも着実に進歩がみられると思える人もいるかも知れません。しかし、そんな人でも”Listening Comprehension”の得点は(紙ベースのテストの場合で)60以下に留まったままです。

海外大学院の入学審査を担当する人たちは、トフルのセクション1の得点を気を付けて見ています。授業中に交わされる英語は、早いテンポの、慣用句が溢れるものですが、それを理解して授業についていけるかどうかが、セクション1を見ればでわかってしまうからです。授業中に交わされる英語を理解できなければ、ディスカッションに参加することはできず、またそれに参加できないとなれば、日本を代表する学生としての果たしてその人物が相応しいのかを問われることになってしまうのです。

そこで、実際に役に立つコツをいくつかお教えします。これを知っておけば”listening comprehension”の得点を上げ、また全般的に英語聞き取りの力を向上させることもできると思います。

A. ペーパーテストおよびコンピュータ・ベースのテスト双方に当てはまるアドヴァイスできるだけたくさん受験すること
トフル本試を、目標の得点に達するまで、毎月受けて下さい。またETS公認の模試も肩慣らしで毎月受けておくとよいでしょう。模試は ITP(Institutional Testing Program)として知られるものです。インターフェイスでは毎月月末にこの模試を実施しています。またトフルコースの授業では、実際に出題されたテスト問題の解説並びにリスニングに欠かせないテクニックを紹介しています。

書き取りの練習をすること
リスニングのスキルを鍛えるには、まずテスト問題に耳を慣らすこと、そして専門家の手になる練習問題を使って書き取りの練習をすることです。練習問題の文章ではキーワードの部分が空白になっているはずです。リスニング・パターンをマスターして その部分を補う言葉を聞き取れるようにならないと、正解にたどり着けません。この方法で、空白部分の言葉を聞き、それを埋めていくことを通じて、リスニングの力がついてきます。また練習問題の文章は専門家が揃えたものですから、文章としても間違いは混じっていません。

集中力を養うこと
セクション1では問題に集中できるかどうかが、たいへんに重要です。そして集中力を向上させるには、毎日の練習が大切になってきます。トフルの最中に他のことに気を取られないよう練習して下さい。つまり、テープから流れてくる英語以外のことは何も考えないようにしましょう。

逡巡せずに、先に進むこと
いったん問題の答えを書いたら、それを変更したり、正しいかどうかを気に病んだりしないでください。これは統計的にはっきりしているのですが、答えを変更したからといって、点数が上がるということは、一般的にありません。逆に、一度は正解していたものを直して、間違いを選んでしまうということも、よく起こっています。人間の記憶力には時間的に限りがあります。それで、すでに答えた問題を気にかけていると、集中力が落ちてしまいます。集中力を欠いてしまえば、何問か立て続けに失敗してしまうことも起こりかねません。

あらゆる機会に英語を練習すること
自分の職場に英語のネイティブ・スピーカーがいれば、ランチに誘ってみましょう。たいていの場合、喜んで招待に応じてくれるはずです。
また、できることなら、ネイティブ・スピーカーも参加しているような課外活動に加わってみる手もあります。どういう団体が好ましいかについては、インターフェイスのカウンセラーにアドヴァイスを受けて下さい。

英語の新聞、書籍、雑誌に目を通すこと
文字で書かれた英語を目にしている時も、人は頭のなかで自分の読む声に耳を傾けています。つまり英単語を「聞き」、語彙を記憶しているわけです。そして、語彙が増えれば、自然と読解力や聞き取り能力が向上するものです。

ラジオ、テレビでニィースや娯楽番組に耳を傾けること
FEN のラジオ放送では一時間に一度ニュース番組を流しています。一日に一度か二度、これを聴くようにしてください。またケーブルテレビに加入している方なら、 CNNでビジネス、アジア、スポーツ、科学と技術など、お好みの話題を扱ったニュース番組で観るのもよいでしょう。

字幕なしの英語ヴィデオを借り、英語の慣用句を少しずつ覚えてみてください。そうすればトフルの得点が上がるだけでなく、実社会で役に立つ英語力も向上します。これは、大学院に進んでからの成功の鍵となります。

電話を使って英語を練習すること
電話を通した会話で英語を理解するのは、面と向かっての会話でよりも、ずっと難しいものです。視覚的な手がかりが全くないからです。お友達に英語を話す方がいれば、その人に電話をかけて、慣用句をつかった英語を聞き取り、理解する力を養ってみて下さい。

米国のアカデミックな環境について知っておくこと
紙ベースのテストでも、あるいはコンピュータ・ベースのテスト(CBT)に於けるAのパートでも、キャンパスで交わされる学生同士の短い会話・対話が多く含まれています。実際、CBTのパートAに出てくる会話は、間違いなく学生生活に関係するものです。なので、米国のアカデミックな環境全般と、大学生活に関する語彙とに慣れておくといいでしょう。ひとつのやり方としては、各大学が送ってくれるニューズレター(university bulletin)を読んでみることです。

学問分野全般を知っておくこと
英語雑誌を読み、あるいはCNNの特別番組を観ることで、トフルのレクチャーで議題となる学問分野の全般的な知識を身につけることができます。テストでは芸術、科学、歴史その他の分野にでの大学レベルの知識が取り上げられています。
CNNの特別番組には、アート、音楽、テクノロジーを扱ったものがありますので、可能な時には見ておくようにしましょう。また米国史についても、雑誌や書籍で目に付くものがあれば、かならず読むようにしましょう。

リスニング・パターンを身につけること
TOEFL プリパレーション・コースを受講し、テキストで学んでいるだけでは簡単にはマスターできないリスニング・パターンおよびテクニックを習ってください。この時ご注意いただきたいのは、インストラクターが充分な期間に渡ってトフルについて教えてきた経験の持ち主か、そして彼/彼女が英語のネイティブスピーカーかどうかという点です。ネイティブスピーカーでない人から、とても高度な英語のリスニングパターンを教わろうとしても、決して大きな進歩は望めません。ちょうど日本語の聞き取りと発音を日本人でない教師から習うのが最良のやりかたではないのと同じです。それでは流暢に日本語を操れるようにはならないでしょう。

いちばん難しい部分で必要となる力をつけること
セクション1で一番難しいのは、以下の点をテストする質問です:
トーン(ある語やフレーズが強調されている訳)
句動詞 (例:get up, put offなど)
その他の慣用語句

話し手の声のトーンは、驚き、同意、見解の違い、ろうばい、あてこすりなど、そこに込められたいろいろな感情を伝えることができます。インターフェイスの授業では、インストラクターが、これら重要なリスニングパターンの識別する方法を指導してくれるでしょう。

句動詞や慣用語句は覚えるのが大変です。日本の高校・大学での授業では教えてくれないからです。

句動詞をグループで覚えること
例えば、トフルで頻繁に出題される句動詞のグループは”turn”を使ったもので、その後ろにいろいろな前置詞が付きます。
Turn in Turn out
Turn up Turn off
Turn around Turn back
Turn aside Turn inside out
Turn upside down Turn to

こうした句動詞は数多くの慣用語句を形成しています。たとえば、”Turn thumbs down”とは、誰か或いは何かを断る/拒否するという意味です。

“I was shocked that the steering committee turned thumbs down on my proposal.”

はじめて目にした語句を、ノートか単語カードに書いておくこと
単語やフレーズは、英語表現の基本単位です。ですから、英語の語彙を増やさなくては、聞き取りでの理解力は限られたものとなってしまいます。定期的に(できれば毎日)語彙を増やすための勉強をしてください。

受験会場へは早めに
会場へ着くのが遅れてしまうと、どうしても緊張してしまいます。緊張すれば、集中できなくなります。テスト会場へは早めに到着し、早めに席に着き、開始までの時間を、集中力を高めるために使って下さい。

テスト前日は遅くまで勉強していないこと。よく眠っておいて下さい。そしてリラックスすること。テスト当日に疲れてしまっていては、実力を発揮できません。テスト前に朝食/昼食をきちんと食べること。テストは長くかかりますし、また会場では何も売っていません。
B. ペーパーテスト(PBT)についてのその他のアドヴァイス
会場の選択は注意して行うこと
会場によって、聞き取りがしやすいところと、そうでないところがあります。一般的にいって、大きな会場(とくに大学の教室)は、小さなところと比べて、あまりよくありません。実際に耳にした話ですが、ある大学ではトフルとは関係のない全校向けのメッセージが外から大きな音で流れてきて、会場に流れていた問題がかすんで聞き取れなくなってしまったそうです。会場で使われている音響設備の質も大きな違いを生みます。

必要ならば苦情を言うこと
問題の入ったカセットテープの音質が良くなければ、すぐにクレームを言ってください。本当のテストが始まるまで待っていては手遅れになります。それでは ETSが後になって対処することもないでしょう。はっきりとその場でクレームを言って下さい。本試前の音響テストの間にテスト監督者のところまで出ていって、テープの音量を調節するよう要求して下さい。また、もし隣の席の人が雑音を立てていたり咳き込んでいたら、テストの始まる前に監督者のところへ行って、席を変えてもらうようにしましょう。

早めに解答する癖をつけること
時間の配分をきちんと行って下さい。紙ベースのテストでは、次の問題が始まる数秒前までに手許の問題に答えられる(解答用紙にマークできる)ようなペースづくりを心掛けて下さい。そして、残った数秒間で次の質問の答え(選択肢)に予め目を通して、問題のパターンに見当をつけておくこと。それで、次の質問が始まった時には、聞き取りに集中することができます。

レクチャーでは、最初のセンテンスでそのトピックに触れます。この導入部分を注意して聴いて下さい。ここから問題が出されることがよくあります。
C. コンピュータベースのテスト(CBT)について、その他のアドヴァイス
ディレクション(テストの受け方)を読んで、時間を無駄に費やさないこと
コンピュータベースのテスト(CBT)でトフルを受験する場合は、各質問のあいだに挟まる12秒のインターヴァルはありません。それだけ自分のペースで解答していけるのですが、セクション全体に割り振られた時間は決まっています。ですから、ディレクションを読んで貴重な持ち時間を無駄にしたりしないでください。ディレクション については事前に知っておくこと。これを読む手間を省くには、画面右上にある”Dismiss Directions”ボタンをすぐに押してください。

すぐに音量を調節すること
コンピュータ・テストでは、テストが始まるまで待たずに、まず音量を調節しましょう。チュートリアルの段階でそうしてください。このとき時計は動いていません。ボリューム調節のためのアイコンは、画面の下のほうにあります。

コンピュータ操作のスキルを身につけること
以下の3つのテクニックを使って、コンピュータ・テストを受けて下さい。
4つ並んだ解答選択肢の隣に楕円があります。そのうちの一つを選んでクリックしてください。
次に”Next Question”のアイコンをクリックしてください。
そして”Answer Confirm”アイコンをクリックして下さい。
この機械的な手順を練習すれば、ラクラクと進んで時間を節約することができます。

パートAでは写真を見ないこと
パートAで出てくる写真は何の手がかりも与えてくれません。逆にそれが注意を逸らしてしまうこともあります。つまり、写真を見てそこに写った学生がどんな服装をしているかなどのディテールに注意を払っても、何の役にも立たないということです。

パートBでは教授や学生を見ないこと。
パートBは長い会話と講義の様子からできています。このリスニング・セクションで出てくる教授や学生の様子に注意を払う必要はありません。講義や会話で何が語られているかに集中してください。教授の見た目がどうか、学生は男子か女子か、黒人か白人か、太っているか痩せているか、といったことは、すべて正解とは何の関係もありません。

グラフ、図表、チャートには注意を払うこと
講義のなかでグラフ、図表、チャートが出てきたら、かならず注意して下さい。それを解説した英語は問題にだされることが多く、とても重要です。
以上の点に気を付けて、練習を重ねて下さい。まもなく当ホームページで句動詞や慣用語句について解説するコーナーが始まります。定期的にアクセスして、学習に役立てて下さい。