留学先:スタンフォード (Stanford GSB MBA)

大学院出願準備記(出願エッセイ、インタビュー対策など)
MBA合格体験記 No.378






0) はじめに

同じくMBA進学を志す妻と手探りで始めたMBA受験は、デバリエ先生(以下デバリエ)とスタッフの皆様のご指導・サポートにより、夫婦揃ってStanford合格という得難い結果をもって終えることができました。ここに感謝の意を表するとともに、少しでも今後の受験生の皆様のご参考となることを願って、以下に体験記を記します。



1) 出願結果

合格:Stanford (R2)、Kellogg (R2)、Columbia (R1)
不合格:Harvard (R2、WL後)
辞退:Wharton (R2、WL後)、MIT (R2、インタビュー・インビテーション受領後)



2) バックグラウンド/テストスコア

出願時年齢:27歳
大学:国立大学経済学部
職歴:外資系投資銀行5年(M&Aアドバイザリー)
海外経験:なし
留学費用:私費
GMAT:710 (M50, V35, AWA5.5)
TOEFL:110 (R30, L29, S23, W28)
GPA:3.2


3) 出願プロセス

2008年3月〜4月:渋谷の予備校にてGMATのレクチャー受講
2008年5月〜6月:TOEFL準備(市販教材)
2008年7月:TOEFL1回目107点、TOEFL2回目108点
2008年8月:TOEFL3回目110点、仕事の関係で出願を1年先送りに

2009年7月:受験準備再開(GMAT Official guide)
2009年8月:GMAT 640点、デバリエのエッセイ・カウンセリング受講開始
2009年9月:GMAT 710点(出願スコア)、Columbia出願
2009年10月:グループ・インタビュー・トレーニング受講
2009年12月:Columbiaインタビュー
2010年1月:HBS, Stanford, Wharton, Kellogg, MIT出願、Columbia WL→合格、Kelloggインタビュー
2010年2月:Stanfordインタビュー
2010年3月:HBS, Whartonインタビュー
2010年3月:Stanford・Kellogg合格、Wharton WL(辞退)、MITインタビュー・インビテーション受領(辞退)
2010年4月:HBS WL
2010年5月:HBS不合格



4) 出願準備について

a) TOEFL

独学で対応しました。業務で英語を使う環境にいましたが、TOEFLで109点(Harvardの足切り)以上取るのは容易ではありませんでした。2カ月ほどかけてRLSWそれぞれ市販のTOEFL教材をやりこみ、傾向を理解して挑んだ初回のテストでは、手応えを感じたものの結果107点。失点の多くを占めていたspeaking(23点)の改善を期して、speakingの模擬テストに多くの時間を使うとともに「思いついたテーマをボイスレコーダーに話しかける」自己流トレーニングを積みました。

3週間後、自信を持って臨んだ2回目のspeakingは、なんと1点下がって22点。特訓の効果がネガティブな形で点数に表れて落胆しました。と同時に、speakingの点数向上が自分にとって極めて難しいことを悟りました。Readingとlisteningで各1点向上したためスコアは合計1点伸びて108点になりましたが、依然として1点足りません。妻が私と同日に受けた初回テストで118点を叩き出すのを見て、「自分だけ足切りをクリアできなかったら・・・」と大変焦ったことを覚えています。

結局3回目で無事110点を取得することができましたが、speakingは23点のままでした。Speakingの点数改善に見切りをつけ、reading, listening, writingの失点を減らすこと(主に語彙の強化とリスニング精度の向上)に時間を使ったのが奏功したと思います。特にreadingで出題される自然科学系の単語は馴染みのないものが多く厄介でしたが、確実に身につけると読解の速度が飛躍的に向上しました。

後のGMAT受験にも役立つためTOEFL対策を通じて幅広く語彙を強化しておくことは効果的だと思います。また、私はTOEFLスコアを取得後仕事の都合で受験を1年先送りにしたのですが、おかげで実際に出願した年はTOEFLにとらわれずGMAT→エッセイと段階的にそれぞれ集中して取り組むことができ、これが結果的には大変助かりました。

b) GMAT

知り合いのMBAホルダーから「GMATは難解」「解法の確実な理解が必須」と聞いていたため、渋谷の予備校に毎週日曜日午前中、2カ月ほど通いました。講義を通じて問題の類型や解答のアプローチについて一通り解説を受けたのは、後の自習の際に非常に役立ちました。その後仕事の都合で1年超GMATから離れてしまいましたが、再度講義資料を読み直し、Official guideをじっくり1周解いてGMAT Prepに挑戦すると760点が出たため本試験を予約・受験しました。が、本番の結果は640点。当日は気負いもあったのか十分集中できず、verbalでは出題文を読んでも中々内容が頭に入ってこないため、同じ個所を何度も読み直しているうちにあえなく途中で時間切れとなりました。GMATは時間制限が厳しい試験なので、出題文を何度も読み直していては高得点を望むべくもありません。気負いをなくし、平常心でサッサと問題を処理していくための当日の落ち着き・コンディション作りも重要だと痛感しました。

Official guideをもう1周解き、GMAT Prepの2セット目を解いたら780点。2回目の受験で点数が出なければ、志望度の高いColumbiaのアーリーラウンド出願に間に合わず、出願を見送ろうと思っていたので相当の覚悟を持って臨むことになりました。しかしながら、当日はあくまで気負いすぎない・各問題を深追いしすぎないことを心がけました。結果は710点で、これをもってGMAT受験を終え、全校の出願スコアとしました。

会社の先輩や知り合いのトップ校MBAホルダーからは「俺740点」「俺は760点。クラスメイトの平均は730点くらいかな?それくらい取ると安心だよね。」といった具合に突き上げをくらい、出願までにもう一度受けた方が良いのでは・・・とも思いましたが、デバリエに相談したところ「必要なし」とアドバイスを頂き踏みとどまりました。振り返るに、エッセイ推敲には非常に時間がかかったため、エッセイ書きの山場であった10月〜12月にGMATのトレーニングをしながら各校エッセイを仕上げて・・・というのは相当苦痛を伴う作業だったと思います。結果的には、深追いしなくて良かったと思っています。

c) エッセイ

職場の上司の数多く(20歳代〜40歳代まで)がデバリエの指導を受けてトップ校に合格していることを知り、インターフェイスに関心を持ちました。エッセイを書き始める段になって相談した上司の強い勧めによりインターフェイスの門を叩き、デバリエとの面談を踏まえて8月よりカウンセリングを開始しました。

当初、エッセイを書くのは非常につらい作業でした。エッセイに費やす時間を絞るように捻出しても、納得のいくネタなど思いつきません。市販の合格者エッセイ集を読み、翻って我が身を考えるにつけ、「自分が語れるものなど何も無いのではないか」と思いました。そして、時間だけが過ぎていくことに焦りを感じました。それは、うず高く積まれたぼろ布を手当たり次第に広げてみては「ああ、これも駄目だ」と捨てていくような、際限なき不毛な反復のプロセスのように思えました。

しかしながら、いかにぼろ布しかなくともそれを上手く1枚に縫い合わせて出願パッケージを作り提出しないことには、合格はありえません。とにかくエッセイに書くエピソードの候補をリストアップするため、まずは自分の過去をじっくりと、洗いざらい振り返ってみる必要がありました。デバリエとレジュメを完成させ、出願校を決めてWhy MBA?のエッセイに取りかかる9月はこの「振り返り」プロセスに多くの時間を費やしました。思い出したくもない失敗も含めて過去を振り返り総括することは孤独で骨の折れる作業でした。しかし、自分(職業人あるいは一人の人間として)を深く理解し、自分自身を入学審査官に対してプレゼンテーションするためには必須のプロセスだったと思います。

自分の中である程度棚卸しが済むと、全ての出願校についてエッセイストーリーの選択から仕上げまで、デバリエのコメントやアドバイスをもとに進めました。デバリエの2時間のカウンセリングは、提出ドラフトの英語表現をブラッシュアップするだけの時間ではありません。考え抜いた末に提出したドラフトを、強力な他のキャンディデイトの中でも光って見えさせる(インタビューに呼んでみようと思わせる)ため、デバリエの視点(≒入学審査官の視点)から物足りない点について徹底的に磨き上げるための時間です。デバリエに提出するドラフトは、「課題の問いに答えているか」「それぞれのエッセイが深く繋がっており、一貫した自分の姿勢を読み手が想像できるものであるか」「一方で、多面的に自分の資質を表現しているか」「各校の求める人材像を自分なりに理解し、それに適合していることを示せているか」の4点を常に問いかけ作成するよう心がけました。しかしどれだけ苦慮して仕上げたドラフトも、カウンセリングの結果構成を大きく変えるのはしばしばで、全く違うストーリーに書き直すことも多々ありました。デバリエのコメントは時に容赦のないものでした。が、各校アドミッションの特徴を熟知し、かつ最良のアウトプットを作るためどんな細かい点であっても妥協なくアドバイスをくれるデバリエに私は全幅の信頼を寄せていました。

幸いにも出願6校全てからインタビュー・インビテーションをもらうことができたのは、デバリエのもとで妥協なく推敲を続けた結果だと思っています。「一つの学校のアプリケーションを書いている間、他の学校のことなど考えるな。取り組みを希薄化させるな」というデバリエの指示も非常に理にかなったもので、一定期間ある学校を集中的に調べ在校生・OBにコンタクトし話を聞くうち、すぐには気付かなかった各校の素晴らしさに気付くとともに、使い回しでない熱のこもったエッセイに仕上げることができました。ちなみに、一度完成させたドラフトは一定期間(可能であれば数週間ほど)寝かせることを強くお勧め致します。寝かせた後に見直すことで、長くこねくり回している間は気付かなかった瑣末なミスや違和感に気付き、納得のいく仕上げ作業を行ことができると思います。

d) インタビュー

インタビュー対策は、インターフェイスのグループ・トレーニングと個別のトレーニングを両方利用しました。グループ・トレーニングは平日のスロットだったため仕事の関係で全てに出席することはできませんでしたが、インタビューで留意するべき事項の
概要を知ることができました。

インタビュー準備の殆どは、エッセイを全て仕上げた後の個別トレーニングで行いました。個別トレーニングと言っても、夫婦で日曜日にデバリエのオフィスに行き、最初の1時間で私がトレーニングを受ける間妻が後ろに座り、後半の1時間はその逆という形式で練習していたので、常に第三者の目にさらされ、また自分で第三者の視点からインタビューの様子を観察し、後で率直な感想を交換することができたという意味でグループ・トレーニング的な要素は常に持っていました。

「エッセイを仕上げて気を抜き、せっかく呼ばれたインタビューでしくじる」ことだけは避けたいと思い、エッセイ提出後はほぼ毎週トレーニングを入れました。回数を重ねたおかげで、インタビューで問われる典型的な問いについて回答の仕方を練習・暗記したうえで、変化球的質問への対応も十分訓練することができました。おかげで、各校ともインタビュー前日までには「やれるだけのことは全てやった」という落ち着きを得られ本番に臨むことができ、当日の出来も悔いのないものでした(結局、HBSとWhartonの2校はwaitlistedとなりましたが)。

なおStanfordからは、予想よりもずっと早く2月初頭にインタビュー・インビテーションを受領しました。ローリング・ベースでインビテーションを出す学校については、自分の想定やウェブの掲示板などで窺い知る動向よりもずっと早く本番を迎えることがあり得る点には注意が必要だと思います。時間に余裕をもって、あらかじめ現役生やOBに疑問をぶつけておくこと、また想定問答を繰り返し体にしみこませておくことも非常に大切だと思いました。ちなみに私の場合、前日にデバリエとのインタビュー・レッスンを入れ、「もしかしたら聞かれるかもしれない」と試された変化球的質問が翌日のStanfordの本番でそのまま問われるという幸運に恵まれました。これには大変驚くとともに、準備の回数を重ねることの重要性を実感しました。



5) おわりに

他にも、キャンパスビジットのプラン策定、Columbiaからwaitlistされた際の対応など、エッセイの作成・インタビュー準備に限らないあらゆる受験の場面でデバリエにアドバイスを求めました。その度に、デバリエは適時的確に対応してくださり、スムーズに対応方針を決定し納得のいく結果を得ることができました。また、インターフェイスのスタッフの方が纏めて下さった各校のエッセイ課題集小冊子やEメールでの情報等、インターフェイスを通じて得られるリソースは非常に使い勝手が良く、受験を乗り切るにあたって何度となく参照しました。どれがなくとも、私の受験はここまで上手くいかなかったと思います。そして、ここまで充実した気持ちでこの体験記を書くことはできなかったと思います。デバリエ先生、小林さん、小貫さん、小粥さんに改めて感謝の意を表し、体験記の締めくくりとしたいと思います。有難うございました。





大学院留学 合格体験記
Stanford GSBMBA(スタンフォードMBA) Class of 2012