ESADE MBA — 合格体験記

留学先:エサデ (ESADE MBA)

大学院出願準備記(出願エッセイ、インタビュー対策など)
MBA合格体験記 No.385






0. はじめに

2008年12月の社費選考合格から約1年半に及ぶMBA受験を終え、今夏よりバルセロナにあるESADE Business Schoolに留学することになりました。金融危機以降、激化の一途を辿るMBA受験競争のなか、日本人、金融畑という差別化の図り難いバックグラウンドと、弱いGMATを抱えながらの留学実現は、周りのサポート無くして語れません。特にディバリエ氏の厳しくもプロフェッショナルな指導(そしてスタッフの皆様の温かいフォロー)、受験勉強の中で知り合った戦友たち、理解ある職場の上司・同僚、そして妻の存在は、何度も崖っぷちに立った自分の心の支えでした。

さて、肝心の体験記の方ですが、私は帰国子女ということもあり万人に参考になる体験記とはならないかもしれません。ただ、人並み以上に苦労した私の試行錯誤の経験が、少しでも皆様の受験のお役に立つことが出来れば幸いです。

<プロフィール>
年齢 31歳
職歴 邦銀で法人営業3年、証券化営業1年、証券化企画3年
TOEFL 115(R29, L29, S28, W29) GPA 3.34 (私立大学法学部)
GMAT 640 (V34, M44), AWA 5.0 海外経験 8.5年(米国)





1. 受験スケジュール・合否結果 








2. 受験対策

(1) 総論

– 2008年12月に社費選考に合格後、本格的な受験勉強を開始する前に年次休暇を活用してCampus Visitを敢行し、その後に独学でGMATを二度(3月、8月)受験しました。Visitは出願校選定やエッセイの中身詰めには大変有益でしたが、GMATの独学は結果として時間の浪費に終わり、出願戦略が大幅に狂いました。

– 2008年8月に入り社内の留学経験者や海外留学候補生からの情報、インターネット口コミ等を参考に、御茶ノ水にあるGMAT受験予備校に通う傍ら、9月よりディバリエ氏のエッセイカウンセリングをスタートさせ、10月にはグループインタビュートレーニングも掛け持ちする厳しいスケジューリングとなりました。

– MBA受験の基本は一つ一つの山を確りクリアしていく事だと思います。その意味で以下の取組は反面教師として参考にしていただければ幸いです。



(2) TOEFL


-TOEFLは帰国子女のバックグラウンドが最大限寄与した為、余り参考になる情報はございません。ご参考までに実力測定を兼ねたお試し受験以降、基本的には以下のような工夫で独学しました。
   Reading: GMATのVerbal対策も兼ねた洋書・雑誌購読
   Listening: CNNのPodcastを通勤途中に聞く
   Writing: Blogを英語で書く
   Speaking: 書いた英語Blogを音読し、考えを英語で整理して話す癖をつける

– その他にはGMATにも通じますが、集中力を維持する為のコンディショニングは非常に重要です。4時間に及ぶ長丁場を乗り切る為には確りとした睡眠と体調管理が重要だと感じました。

– またTOEFL特有のポイントとして会場選びがあります。特にSpeakingでは周りの受験生の声が聞こえると激しく集中力を乱されます。受験仲間やインターネットの口コミサイトを中心に会場選びには気を使いました(個人的に良かったのはTemple Universityです)。



(3) GMAT〜予備校(渋谷、御茶ノ水)〜


– 既に述べましたが、個人的にはGMATこそが最大にして最強の難敵でした。厳しい受験戦争を経験せずに育ってきたせいもあり、元々算数を苦手としていましたが、独学で挑んだ2008年3月の試験で出たVerbal36を過信してしまい、6月に渋谷の予備校でQuantitative集中講座、8月からは御茶ノ水の予備校でGMAT全般の講座を受講する中で、QとVの点数は見事な反比例を描いてしまいました。

– 最初の2回の受験まではオフィシャルガイドとGMAT Prepの反復のみに頼った勉強でしたが、御茶ノ水の予備校で「一定の基礎力をつけたうえでのオフィシャルガイドの反復練習」の重要性を実感し、以後は中学受験の参考書や、Z会のAcademic中級、上級などの読み込みを通じて基礎力向上に努めました。努力の結果はQには反映されたものの、Vは完全に泥沼に嵌っていました。

– 12月からは戦友達の薦めもあり、Manhattan GMATの参考書で弱点を集中的に補強する戦術に出ました。弱点であったSentence Correctionの決まりごとやReading Comprehensionの正答率のムラの改善には手応えがありました。

– 最後と決めていた2010年2月の試験では長期休暇を図書館缶詰に充てた他、Campus Visitで生の英語に漬かっていたにも関わらず、直前に体調を壊し撃沈しました。その結果、2nd Roundでは12月の610点が提出スコアとなりました。この頃は合格校も無く、仕事もピークを迎え、完全に目の前が真っ暗になっていました。

– 四月に入り仕事も出願も落ち着いた所で6回目の受験をしたところ、ここで自己ベストが出てしまいました。過去5回の中で最も勉強せずに挑んだ試験でのこの結果は、改めて試験のブレの幅の大きさと、心身のコンディショニングの重要性を痛感させました。

– GMATは様々な所で言われているとおり、短期集中で撃破すべき試験だと思います。独学で約半年を浪費したうえ、エッセイやインタビュー準備と掛け持ちしてしまった事は、非常に大きな失敗でした。これから受験される皆様は、エッセイやインタビューが本格化する前に集中的に公式やロジックを詰め込み、確りコンディションを整えて挑まれる事を強くお勧めします。



(4) 学校選び

(4-1) キャンパスビジット

スケジュールと資金に余裕があるようでしたら、ビジットは大変お勧めします。ディバリエ氏の著作をはじめ学校紹介の書籍は基礎情報を仕入れるのは有益ですが、「百聞は一見にしかず」です。例えば、Tuck、Kellogg、Kelleyはそれぞれ協調性を重んじる校風と言われますが、実際にビジットするとその違いがはっきり分ります。先入観を持たれるのは本意ではないので個別の感想は差し控えますが、学校や授業、生徒、街の雰囲気から分かるフィット感は筆舌表し難いものがあります。ご参考までに私は以下の学校をビジットし、授業見学、キャンパスツアー、生徒とのランチなどから学校を絞り込んでいきました。

<2008年1月>      <2009年1月>
– Columbia          - Tuck
– NYU Stern         - Kelley
– Wharton           – Kellogg
– MIT
– HBS
– UCLA

(4-2) 説明会

ビジットの余裕がなくても日本で開催される様々な説明会は情報収集の場として非常に有益です。MBA Fairのように多数の学校が参加する合同の説明会からAdmissionが来日して開催する個別説明会、夏休み期間を使って行われる在校生による説明会、Alumniによる説明会等、その種類は様々です。私は主にInterfaceと渋谷の予備校が主催する説明会に積極的に参加しました。そこで受験生仲間のネットワークを広げたり、Alumniにコンタクトして後日OB訪問したこと等は、非常に役立ちました。進学するESADEにも最終的には来日したAdmissionと仲良くなり突っ込んだ話が聞けたこと、卒業生・在校生にコンタクトを広げていけたこと、欧州に関心のある仲間と出会いそこを通じて欧州他校の情報を収集し、比較検討出来た事が決断の要素となりました。

私が参加した主な説明会とその時期は以下のようなものでした。
<2009年>
7月: Columbia(生徒)
8月: Kellogg、HBS(生徒)、Columbia、MIT
9月: MBA Fair, Kellogg, Tuck
10月: Wharton、LBS
12月: Owen
<2010年>
1月: IESE
2月: ESADE

(4-3) その他

ビジット、説明会以外にも私の学校選びに重要な役割を果たしたものとして、MBAスクールのJapan Tripで自社を訪れた学校の生徒と話す機会は非常に貴重な機会でした。Kellogg、NYU、MIT、Kelley、Columbiaの学生や教授と話し、授業の雰囲気、キャリアの考え方、そして何よりも集団から伝わる協調性や多様性はとても刺激になりました。また、Interfaceのトップスクールを取材したDVD、ディバリエ氏の著作もGMATに行き詰まり出願戦略を見直さなければならなくなった際に、非常に役立ちました。エッセイカウンセリングが無い時もInterfaceにふらりと立ち寄って調べ物をしていたのは今では懐かしい思い出です。






(5) エッセイ

– GMATの独学中の6月にInterfaceを訪れディバリエ氏と面談しました。NYUを卒業した会社の先輩から薦められたのがきっかけでしたが、最初の面談でディバリエ氏の小手先の受験テクニックに頼らない長期的な視点に立った指導思想に触れたのが決め手となりました。

– 8月までにGMATを終え、9月から1stラウンドに向けた準備に入る当初方針はGMATの苦戦であっさり崩れてしまいましたが、ディバリエ氏のカウンセリングは想像以上の厳しさでした。会社でもかなり英語を使い、文章を書くことに慣れていたつもりでしたが、毎週のように徹夜で書いたドラフトも、冗長な文章、稚拙な文法と揺るいロジックを徹底的に指摘され、直されました。しかし厳しい舌鋒と一面の修正履歴を前に凹む一方、修正された文章は簡潔且つ洗練されており、本当に自分の話なのかと目を疑うような出来栄えでした。そして各校のアドミッションの考え方を読んだ的確なエッセイ表現、同じ経験談でも光の当て方を絶妙に工夫する点などは永年の経験が為せる技だと感心しました。周りの受験仲間はカウンセラーに全幅の信頼を寄せられず、セカンドオピニオンを求める人もいましたが、ことディバリエ氏に関してはその心配は皆無でした。






(6) インタビュー

– 最初の出願校向けエッセイも仕上がらない10月にInterfaceのグループインタビューコースを受講しました。準備不足という意味では勿体無い部分もありましたが、他の受験仲間がどのような考えで志望し、インタビューの中でどのように表現できているかを客観的に見る事は、自身の特訓以上に有益でした。また、戦友同士の連帯感、情報交換もその後の長丁場を乗り越える上で貴重な機会となりました。

– 個別校のインタビュー対策に付いては1月上旬の2nd Round提出後に急ピッチで取り組みました。週1回のコマ以外にも週末に臨時の枠を予約して徹底的に志望動機からキャリアプランまで反復練習しました。

– これが1月末のInterviewを兼ねたCampus Visitに大変役立ちました。強面で舌鋒鋭いディバリエ氏の特訓は、実際のインタビューを快適にすら感じさせる心の余裕を生みました。インタビューでは核となる質問への準備が確り出来ていた為、雑談などを楽しむことが出来ました。協調性の高い学校を選んで受験していた事も、ポイントだったかもしれません。






3. 結び

この1年半は本当に長い1年半でした。受験勉強だけに専念できるのであれば別ですが、業務・受験・家庭の3つを両立させるのは極めて困難です。時間や期限が限られるなか、GMATやエッセイ等を掛け持ちする事は、必要以上にプロセスの難度とストレスを高めてしまいました。

しかし振り返ってみると受験の同士たちと支えあいながらこの辛い環境を乗り切ったことは貴重な経験であり自信でもあります。周りのサポート無くしては到達出来なかったゴールであり、今後に控える厳しい勉強の日々に向けた大きな糧です。ディバリエ氏に学んだプロ意識や、キャリアを見据えた考え方は、むしろこれから役立てて行きたいです。

受験は一見孤独な戦いですが、この1年ほど周りの人に恵まれている幸運に感謝した事はありません。これから留学を目指される皆様もストレスや重圧で内向きになる時が必ず訪れると思いますが、周りの人の存在を忘れずに頑張ってください。





大学院留学 合格体験記
ESADE MBA(エサデ MBA) Class of 2012