MIT Sloan Fellows MBA 合格体験記

留学先:マサチューセッツ工科大学合格体験記 (MIT Sloan Program)

大学院出願準備記(出願エッセイ、インタビュー対策など)
MBA合格体験記 No.480

私の体験談を読み始めてくださり、ありがとうございます。受験準備に費やした2年半の間、とりわけスコアメイクに苦戦していた時、「自分は本当に合格できるのだろうか?」と不安になると、インターフェイスの体験談のページを読んで自分を鼓舞していました。「多くの方が自分と同じ苦労を味わっているんだ」「この苦しみの先に合格が待っているんだ」と励まされたことが昨日のことのようです。あまりに泥臭いので掲載するのが恥ずかしいですが、私の体験談もどなたかの心を少しでも鼓舞できればと思い、事実のままに書かせて頂きます。

1. 合否結果
合格:MIT(1st)
Waitlist(辞退):UCLA(1st)、Michigan(1st)、Duke(1st)
不合格:HBS(1st)、Columbia(early)、Tuck(1st)、Kellogg(1st)、Wharton(1st)、Stanford(2nd)

2. 経歴/スコア
性別:男
学歴:国立大学法学部卒
GPA: 3.2
受験時年齢:29歳
私費/社費:私費
海外経験:海外旅行程度
職務経験:広告代理店7年(メディア担当1年、営業担当6年)
TOEFL:110 (R30 L25 S27 W28),
GMAT:720 (M51 V35 AWA5.5 IR8)

3. スケジュール
2013年
5月 GW中に「ゼロからのMBA」をたまたま読んで、MBA留学を目指すことを決意。当時、MBAが何かもよく知らず、ただ、著者に異様に共感。2014年での出願を見据え、情報収集とテスト勉強を開始。TOEFL110点、GMAT700点を目標とする。
6月 思い立ち、御徒町のGMAT予備校にてSCの講座を全8回受講。
7月 試しにTOEFLを初受験。87点。道のりの険しさを実感する。以後、月1~2回のペースで受験。同じくGMATを初受験。580点。哀しみのコリドー街をトボトボと歩く。
10月~ TOEFLの点数は100点前後まで伸びたものの、目標の110点は程遠く。

2014年
5月 GMATは数回受験するも600点台中盤のスコアで停滞。1st round出願に向けてスコアメイクを早期に終わらせたかったため、時間をお金で買うことに。年2回のみ開講している渋谷のGMAT専門の予備校に通う。GW返上でGMAT漬けに。
7月 営業局内での異動。業務の幅が広がり、エッセイで書けることの量・質が向上すると考え、出願を1年遅らせる決断をする。ひとつひとつの案件をエッセイネタに昇華させることを意識して貪欲に新業務に従事。この時期に考えたことが、Why MBA?エッセイの背骨となっていく。

2015年
2月 ついにTOEFLで110点獲得(提出スコア)。歓びのあまり、家中を走り回る。冷静になって受験回数をカウントしたところ、その数29回…。
5月 GMATも700点目前になっていたため、ついにエッセイカウンセラー数名にコンタクト。デバリエ先生との面談を実施。結果、半年以上にわたるエッセイ・インタビューをデバリエ先生と戦うことを決意。GWに合わせてキャンパスビジットを敢行。(多くのスクールが休講している時期なのでまったくオススメできませんが、突然お休みが取れたのでエイヤで行きました。)
6月 GMATで720点獲得(提出スコア)。
9月~ 1st roundに9校出願。デバリエ先生と面接練習を始める。
11月 MITから面接へのインビテーションが来る。場所はまさかの香港。業務を調整し、弾丸で香港へ。MIT SloanのOBがいる現地企業にてアドミッションと面接。MITへの熱意を強調したが、面接官がポーカーフェイスで手ごたえを感じることができず、面接後、香港の街中を放心状態でさまよう。
12月 24時過ぎに会社から家にタクシーで帰宅中に海外からの着信あり。出ると、香港で面接をしてくれたMITの面接官から「Congratulations!」のサプライズ。寝ていた妻を叩き起こして狂喜。

4. 全体戦略
合格された方の多くが学生時代から「いつかMBA留学に」という志を抱き、社会人になって数年、海外案件をリードし、満を持して受験されているかと思います。しかし、私はお恥ずかしながら「MBA」という言葉も聞いたことがあるという程度でした。非トラディショナルな業界に身を置き、職場でも周囲にMBAホルダーはおらず、海外経験もほとんどありませんでした。
そこで、受験最初期から一貫して私が採った戦術は以下の通りです。あくまでも個人的な指針という点、ご留意ください。

・スコアで後悔のないようにすること
TOEFL・GMATはかなり多い受験回数になってしまいましたが、後になって「スコアのせいで不合格になったのかも」とモヤモヤしたくなかったので、奇跡を信じて各セクションのスコアが揃うまで継続的に受験しました。私の場合は結果オーライでしたが、本当に先の見えない苦しい戦いでした。

・1st roundにこだわること
テストスコア同様、「2nd roundは倍率が高いせいで不合格になったのかも。1st roundで受けておけば良かった」と後でモヤモヤしないように、1st roundであらかた勝負をつける前提で進めました。(1st roundでの受験が有利だと言いたいわけではありませんのでご注意ください。私の場合は、1st roundの方が有利だという「迷信」にあえて完全に乗ることで、精神面でその「迷信」に振り回されなくなるという逆説的戦略を採りました…。)
出願を1年見送ったことも、結果としてプラスに働いているかと思います。おおよそのスコアメイクが出願年のGW前に終えていたことは、その後のエッセイ・出願のプロセスで心に余裕を与えてくれたと思います。また、1st roundと2nd roundを継続して戦う場合、半年以上にわたる長期間、ストレス状態に置かれることになります。負担を各roundで分散させた方が良い方はそうするべきですが、私は集中力が持続する「長距離ランナー」タイプではないので、短期決戦を選択しました。

・出願の手を止めないこと
上記の通り、1st roundであらかた勝負をつける前提だと、エッセイ執筆やインタビュー準備等、手を休める暇がありません。他の世界中の優秀なアプリカントと比べて、私が「ピンポイントで数校受験して高い確率で合格する」というタイプでないのは明白だったので、とにかく後悔しない出願方法を採用しました。つまり、可能な限り多数の学校にアプリケーションを提出しました。エッセイを書く学校の順番は、デバリエ先生と都度相談をして、各校の出願〆切を見据えて、状況に合わせて順番を変えながら進めました。

5.エッセイ
多くの学校が問うてくるWhy MBA?等の質問に対して、出願校数が増えてくると使い回し(コピペ)をする誘惑に駆られます。私の場合も、先を急ぐあまり、また、多忙な業務の合間を縫って執筆しているが故に、その甘い罠にしばしば嵌りました。そして、そのたびにデバリエ先生に「犯罪の痕跡」を指摘され、容赦なく書き直しを命じられました。もはや激昂といって良いでしょう…。
毎日の業務終了後、深夜から明け方までかかって書いたエッセイを、一読でバッサリ斬られるのは腹が立つやら辛いやらでしたが、そうやって同じような設問に対して、各校のカルチャーを念頭に置きながら書き直しを繰り返していくことで、新たな視点を獲得することが多く、ブラッシュアップの貴重な機会だったのだと今にして思います。
日本の受験システムに慣れ親しんだ人間にとってはエッセイを書くこと自体が新鮮でしたが、それぞれの学校のカルチャーの理解が非常に重要だと感じました。「フィット」を重視する学校は意外と多いので、在校生・卒業生から聞いた印象深いエピソードや感じたことをエッセイに盛り込めるよう意識しつつ、夏から秋にかけて立て続けに開催される学校説明会やキャンパスビジット等でネットワーキングするべきだと思います。MBA受験の苦労を知る在校生・卒業生は協力的な方が多く、実際の出願エッセイを共有頂いたり、私が書いたエッセイの中に登場する授業やクラブが在校生の視点で違和感がないかをチェックしてくださったり、大変参考になりました。また、行き詰まった時は、各校のエッセイのティップスが書かれた海外サイトを参照する等、ネタ出しやカルチャーの理解に努めました。
インターフェイスでは各校の出願〆切やエッセイ課題をまとめた資料を用意してくれているので、自分が出願予定のエッセイ課題を先に読み込み、すきま時間は常に意識的にネタ出しをしていました。

6. インタビュー
1st roundのタイミングではインターフェイスのグループレッスンは開講されませんでしたが、デバリエ先生との個別セッションは何度も行いました。インタビュー用の個別セッションを開始するタイミングもデバリエ先生と相談して決めました。日本の就職活動のような圧迫面接は基本的にはないと思いますが、デバリエ先生が醸し出す緊張感は、実際のどの面接よりもタフでした。反動で本番を楽しむ余裕が生まれます。
重要なのは、メッセージとデリバリーと2点だと思います。メッセージは、エッセイ執筆で深まっているWhy MBA?Why this school?を軸に、学校への興味を示すような在校生・卒業生とのエピソード、ビジット時のエピソード等々、あらゆる場面を想定して事前準備をしました。MITは、アドミッション面接がbehavioral interview(過去の体験を徹底的に深掘りする質問を繰り返すタイプの面接)中心ということで有名ですが、MIT向けの面接対策はインタビュー対策全般で有益でした。というのも、過去の体験を思い返すうちに忘れていたアピーリングなエピソードを発見できたり、具体性が求められるためディテールを突き詰めたりすることができました。実際にはMITの面接でbehavioralな質問が来なかったといった体験談もネット上で複数ありますが、そういった些末なカテゴライズは重要ではなく、behavioral interviewに対応できるレベルの深掘りは、(MITに限らず)すべてのアプリカントに求められているのだと思いました。
デリバリーの面では、デバリエ先生にもさんざん指摘を受けて毎回落ち込みましたが、そうして落ち込んでいる暇はないので妻を面接官に見立てて何度も練習しました。各校のインタビュー体験談が掲載されている「Clear Admit」のオンライン投稿は非常に参考になりました。インタビューで聞かれた質問や面接の雰囲気を事前につかむことができます。また、同じく「Clear Admit」のMBA LiveWireは、各校の面接へのインビテーションのタイミングがリアルタイムでわかり、インビテーション待ちの時間が一層ジリジリする副作用もありますが、面接に呼ばれる前の心の準備にはなるためアプリケーションを提出した後は頻繁にチェックしていました。

7. インターフェイス
2016年のGW中の、米国への渡航準備の合間にこちらを執筆していますが、ちょうど3年前のGW中、「久々にまとまった読書を」と思い、本屋で手に取った「ゼロからのMBA」という本でインターフェイスを知り、いつかデバリエ先生に師事したいと思ったことから私のMBA受験は始まりました。結局、数名のカウンセラーと対面/Skypeでお会いしましたが、デバリエ先生にお願いしたのは確固たる理由がありました。
エッセイ執筆からインタビューまでの受験プロセスは、長期かつストレスフルです。それを最後まで一緒に走り切るカウンセラーを選ぶのは、実績はもちろん、相性が大切だと思います。私の場合は、デバリエ先生の「Game of Life」という考え方に象徴されるように、MBA合格に留まらない、人生という視座からのコンサルテーションを受けられそうだと感じたことが大きかったです。デバリエ先生のカウンセリングは、(クライアントの個性によるのかもしれませんが)精神的なタフさを求められます。噂に違わぬ鬼軍曹でした。しかし、それはデバリエ先生の高い職業倫理に基づいた厳しくも愛のあるカウンセリングだったように思います。数十年にわたって日本のMBAカウンセリング業界をリードされてきたプロ意識は、並みのものであるはずがないのです。
また、デバリエ先生との「魂のぶつかり合い」を通して、英語でのコミュニケーション力を鍛えられたように思います。例えば、エッセイの内容に関してデバリエ先生と意見が対立した時、言われっぱなしではなく、より「自分」を刻み込んだエッセイにするべく、食い下がるべきです。エッセイの質を向上させるための真剣勝負です。そこで「待った」をかけて議論をし、その上で最善の策を見出せるかは、カウンセラーとの関わり方で大きく異なってくると思いました。デバリエ先生には「待った」を非常に言いにくいは言いにくいのですが…、勇気をもって「待った」を言った時は一緒に真剣に考えてくれる方でした。
また、デバリエ先生からは、「Game of Life」の観点および魅力的なアプリカントになるために、課外活動をすぐに始めるようアドバイスをもらいました。大学生までは精力的に学外での活動に首を突っ込んでいましたが、社会人になってから仕事一辺倒になっていることに気づかされました。私の興味関心に基づいてどのような活動が良いかアドバイスをもらいました。結果、最近移り住んだばかりの街でツテを探して祭りに参加したり、趣味のお酒の同好会に入ったり、フリーマーケットのボランティアを始めたり、人生の視野が広がりました。それらの経験は、実際にエッセイやインタビューでも活躍してくれました。
デバリエ先生には、なんでも相談するべきだと思います。急遽できた休みを利用してキャンパスビジットの計画を進めていた時、カウンセラーにとってキャンパスビジットは管轄外だろうと思い込んでいました。直前になってなんの気なしにビジットの話をしたところ、「なんでもっと早く相談しなかったんだ!」と雷が落ちました。私の当初の計画は、デバリエ先生から見れば不十分なものだったのです。その後、呆れられながらも…、渡米までの短時間で準備できることを様々な角度から教えて頂き、多くの在校生にコンタクトでき、実りあるビジットになりました。ここでお会いした在校生の皆さんからは、それぞれの学校の特色やカルチャーの違いを感じることができました。これは、各校のHPだけではどうしてもわからない部分です。特にMITは、ビジット時にお会いした在校生のお話にインスパイアされ、学校のカルチャーの理解が深まりました。実際、キャンパスビジット後、各校の印象やビジットでの学びを備忘録も兼ねて作成し、デバリエ先生に自主的にプレゼンしたのですが、MITに関してはそこに書いたことをインタビューで粘り強く強調し、フィットを強くアピールできました。

8. 最後に
MBA受験を経て、自分がアクセスできる世界が格段に広がったと感じています。合格してみると、米国や欧州のビジネススクールの同級生になる日本人との横のつながりができたり、社内外のMBAホルダーから壮行会を開いて頂いたり、留学前からすでに1年前の自分が想像していなかったような日々を送っています。この広がりは、今後もっと増幅していくものと思います。
MBAがキャリア選択の最適解かどうかは、それぞれの方の状況によるのでわかりませんが、「最適解だ」と信ずるに足る想いがあるのであれば、是非最後まで走り切って頂きたいと思います。私でも走り切れました。その最高の伴走者が、私の場合、インターフェイスだったと思います。エッセイやインタビュートレーニングでお世話になったデバリエ先生、アプリケーションの細かな質問に笑顔で対応してくださった小貫さんをはじめとする日本人スタッフの皆さんのおかげで良い結果を得ることができました。ありがとうございました。
そして、これからアプライされる方々の成功をお祈り申し上げております。

大学院留学 合格体験記
MIT Sloan MBA(MITスローン MBA) Class of 2018