Pennsylvania MBA 合格体験記

留学先:ペンシルべニア (Wharton MBA)

大学院出願準備記(出願エッセイ、インタビュー対策など)
MBA合格体験記 No.317






1. はじめに

MBA受験は、単なる合格通知以上のものを私にもたらしてくれました。10年のキャリアを棚卸しし、30年の人生を振り返る機会を与えてくれました。また今後の人生に対する明るい希望も与えてくれたように思います。今こうしてこのような心境でこの文章をしたためられるは、家族の協力と共に、インターフェースで担当してもらったデバリエ氏、面接対策でお世話になったカウンセラーの皆様、またインターフェースのスタッフの 皆様のおかげだと感謝しております。私の経験は個人的なものですが、何かの参考に なるところがあるかも知れませんので、以下に共有させていただきます。



2. 結果

合格: Wharton、LBS、Tuck
不合格: Stanford、Kellogg
Wait: UC Berkeley



3. バックグランド

私立文系卒業。IT関連企業からの社費派遣。Sales & Marketingと法務を経験(共に
海外案件が中心)。30代前半。二年間の海外勤務経験あり。子持ち。



4. スケジュール

2005年12月〜2006年4月 
  TOEFL試験対策(CBT 273点、3回目の受験)

2006年10月〜2007年3月
  GMAT試験対策(690点、2回目の受験)

2007年6月〜2008年1月
  インターフェースでのエッセーカウンセリング

2007年9月〜2008年2月
  インターフェースでの面接トレーニング

2008年3月
  全受験校について結果が出揃い、受験を終了

上のスケジュールからも分かるとおり、TOEFLとGMATを終えたうえで、エッセーのドラフトを受験の年の6月から開始しました。この段取りのおかで、エッセーの作成においてはその作業に完全に集中することができ、全受験校について納得のいくものを書き上げることができました。多くの経験者がいうように、早め早めのスケジュールを組むのが王道だと思います。受験仲間にはGW前にエッセーのドラフトを書き始めていた方も結構いらっしゃいました。特に、私と同じように小さなお子様がいる方は、余裕をもったスケジューリングをしないと、家庭生活も破綻しかねませんので(私も相当まずい時期がありました)、特にご留意下さい。

ただ、早めのスケジューリングを組む場合、一点だけ注意が必要だと感じたのは、集中力の継続の問題です。私の場合、12月の段階で1st受験の2校から合格を得たところ、大本命であった2nd受験校のエッセー・面接対策にどうも集中できなくなり、非常にもどかしい思いをしました。1st&2ndでの受験を予定される方は、時期的なゴール設定を、2ndの面接が終わる3月くらいに置いておく必要があります。



5. テスト関連(TOEFL・GMAT)

5-1 勉強方法

私は所謂予備校の類は利用せず、その代わり、市販の書籍等を利用して、基本的には問題をひたすら解くというアプローチを取りました。この方法は、結果としてそれなりの点数が出せたという点、また、金銭的な負担が少なく済んだ点で、私には適した方法であったように思います。確かに(特にGMATにおいては)学習の効率という点では、もしかすると予備校に通うメリットがあったかも知れません(実際に通っていないので確かなことはいえませんが)。ただ、英語にも中学レベルの数学にも特段苦手意識がない、という方であれば、予備校に通わないというオプションも検討に値すると思います。個人的には、同じお金をかけるのであれば、個人ではどうしようもないノウハウが提供される度合いが高い、という意味で、エッセーや面接対策にかけるのがmuch much betterであると思います。

5-2 必要となる点数

合格のために必要なテストスコアは、誰しも気になるところかと思います。これは私の全くもっての独断と偏見によるものですが、GMATについては、所謂トップ校を狙う場合、大雑把にいって、680〜690点くらいあればまあ最低限のレベルは十分クリアしていると考えてよいと思います(もっとも、例えば大学での専攻や成績、若しくは業務経験等の要素によって、GMATのスコアがどの程度重視されるかも変わってくることは考慮する必要があると思いますが)。

確かに、高い点数であればあるほど合格に有利になるのは間違いないと思いますが、どの程度有利になるのかは、経済学でいう限界効用逓減の法則が強く働いているように思います。テストスコアと合格の関係を、野球に例えて、「テストの点数はバッターボックスに立たせてくれるというだけで、実際にヒットが打てるかどうかはエッセーや面接で決まる」、ということをしばしば耳にします。私も実感をもってそう思います。もう少しニュアンスを伝えるとすれば、ある程度の点数(私の感覚ではトップ校のケースで例えば650点程度)があれば一応何とかバッターボックスには立てるし、かつ、点数が高ければ高いほどピッチャーが遠くから投げてくれる(またはゆるい球を投げてくれる)が、どのくらい遠くから投げてくれるか(またはゆるい球を投げてくれるか)については、点数が上がれば上がるほど、程度に差がなくなってくる、ということかと思います。実際、「690点打席」と「700点打席」には、ピッ
チャーマウンドからの距離にして20センチ程度、「720点打席」と「730点打席」には2センチ程度の差しかないのではないかと思われます(思いっきり私の主観です)。結局ヒットを打てるかどうかは、バッターとしての真の技量(=エッセーと面接)による訳ですから、あまりピッチャーを遠ざけることに必死になって、バッティングスキルの習得が遅れないようにすることが必要かと思います。680〜690点もあれば、バッティングセンス×適切なトレーニングさえあれば、十分にクリーンヒットが三遊間を抜けていくかと思います。

TOEFLに関しては、私はCBTでの受験だったため、iBTにおいてどのくらいの点数があればいいのか感覚的には分かりませんが(多分100点くらい?)、上記の考え方はそのまま当てはまるように思います。

5-3 その他

TOEFLの有効期間は2年間ですが、学校によっては、それよりも短い期間で有効期限を設定しているところがありますので、受験における各学校の要求事項には注意が必要です。私の場合、学校が設定したTOEFLの有効期間をほんの一ヶ月程度超えているこ
とを理由に、実際にwaitになってしまった学校がありました。



6. エッセー

ひとことでいえば、指定された文字数内で最高の自分を紙の上に表現する、ということかと思いますが(確かデバリエ氏がセミナーでそういってましたし、私もその通りかと思います)、詳しくは他の方々のコメントや各種文献、プロの方々の説明に委ねます。

実感をもって付け加えることがあるとすれば、どれだけ妥協しないで最高のものを書こうとするかが合否を決める、ということかと思います。もちろん私もそうでしたが、トップ校に合格される方は、本当に妥協しないで書かれています。もちろん類似の設問について、ある程度の使い回しは誰しもがするものですが、それでも最初の「型」を作り上げる段階においては、一切の妥協を排除しているはずです。

これは確かにしんどい作業ですが、今から振り返ってみれば、おおよそ半年間も自らの価値観・性格・過去・現在・未来を深く考えながら簡潔な文章に落とし込む作業は、それそのものに高い価値があり、やってよかったと思っています(もう一回やるかといわれれば100%断りますが)。

また、MBA受験におけるエッセーでは、必ずしも大それたネタをひけらかす必要はありません。どんな小さなエピソードにも、自分というものが投影されているはずです。最終的にアドミッションに提示するのは最高の「自分」であるわけですから、どんな小さなエピソードでも簡単に切り捨てず、徹底的に洗い出す必要があります。できだけ早期に、この作業をするといいのではないでしょうか。TOEFLやGMATの勉強中でもいいと思います。そしてそれをどこか一箇所に貯めておくといいのではないでしょうか。私自身はこの作業をそれほど徹底しては行わなかったのですが、やっておけばよかったと反省しています。この作業をしておけば、エッセーでも面接でも、大変有用だと思いますし、何よりこの自らを振り返る作業は、TOEFLやGMATよりはるかに面白いと思います。きっと自分について、思わぬ発見があると思います。



7. 推薦状

殆どの学校が、職場等における自分を直接知る立場にある上司等 2名からの推薦状を要求します(これに加えて、ごく一部の学校では、ピアの立場からの推薦状を求める学校もあります)。学校側は、出願者に関する第三者からの客観的な人物評価を目的として推薦状を要求しているため、自分をよく知らないかなり上位の上長 (部門長、等)からの推薦状は無益どころか選考に否定的な影響さえ与えます(もっともランクに関わらず、自分を個人としてよく知っている上長であれば例えば社長でも問題ありませんが)。トップ校においては、例え ば一国の大統領からの推薦状でさえあり得るため(この程度のランクであればさすがに意味がないとはいえないと思いますが)、そのような推薦状を望めない一般サラリーマンの立場 においては、推薦者のランクについての誤解をするのは命取りです。

推薦状に上記の役割を求めている以上、誰を推薦者としてお願いするかは非常に重要な選択です。自らの働きぶりをよく知り、個人的な関心もある程度共有している、コーチやメンターとして尊敬でき、十分な信頼関係を構築している上司にお願いする必要があります。人間の営みであるビジネスを教えるのがビジネススクールですから、そのような人間関係をいくつも構築できる能力が、推薦状というフィルターを通じて評価されているといっても過言ではありません。

また、忙しい上司に効果的な推薦状を準備してもらうためには(しかも場合によっては6〜8校分の推薦状に付き合ってもらうことになります)、 自らの志望校と推薦状が必要となるタイミング、また各校の推薦状が求める質問の内容等について、相当早めの時期に推薦者と意識合わせを行い、推薦者とのその後の作業をマネージしていくことが必要です。このような作業を成功させるには、推薦者との信頼関係が必要であることは言うまでもありません。



8. 面接

英語そのものを業務上も頻繁に使っていた私としては、面接対策を若干甘く見積もっていたことを反省しています。英語が上手く話せることと面接の成功は、無関係ではないにしても、全く別の話です。デバリエ氏から何度もいわれましたが、肝心なのはコンテンツです。質問の意図ごとに、自分が何を答えるか、事前に準備して何度もリハーサルしておく必要があります。



9. 各学校のリサーチ

MBAの受験中は、結局トップ校にそんなに違いはないじゃん、という気になってきます。ある意味ではそうなのかも知れません。しかし、複数校に合格して各校のイベントに参加している現在、学校やそこで出会う在校生・卒業生には一定の特徴・特色が確かにあるのだな、と強く実感します。どの学校に進学するのかが、自分の人生に少なからぬ影響を間違いなく与えるだろうという気さえします。各学校についての徹底的なリサーチは、エッセーや面接における”Why ●●School?”に答えるためにそもそも必要なことですが、この学校への進学が自分の人生にどんな影響を与えるのか、というくらいの広い視野でこの作業を行うと面白いと思います。

そのための方法論ですが、きっと多くの受験生が賛同してくれると思いますが、在校生・卒業生に直接アプローチして話を聞くのが一番だと思います。私は人に会って話をするのがかなり好きなこともあって、受験校については、少なくとも一校あたり5人くらいの方にはお会いして話を聞きました。在校生・卒業生の方々は、基本的に自分の学校を愛しているので(そうでない方が多いような学校があるのであれば、そもそも選択すべきではないと思います)、礼儀を尽くせばきっと好意的に会ってくれると思います。ポイントは、学校の特徴や受験のテクニックを無理に聞きだそうとするのではなく、会っていただいた方にもその時間を楽しんでもらおうとする態度だと思います。



10. コンサルタントの活用

一般的に言われているとおり、エッセーと面接が合否に与える影響は決定的に大きいと思います。その一方で、その準備を、所謂専門家(コンサルタント)の力を全く頼らないで済ますというのは、今から振り返って考えても、相当難しいように思います。例外的に、(i)帰国子女等で英語でのライティングとスピーキングに何ら問題がなく、(ii)欧米の大学院レベルのエッセーと面接について凡そどのレベルで合格できるのかの肌感覚があり、(iii)身近にMBA卒業生等、自分のエッセー・面接での受け答えを様々な角度から客観的に評価して適切なアドバイスをしてくれる複数の人間がいる、というような方は、その限りではないと思いますが(もっともそんな方はそもそもこの文章にアクセスしていないものと思われます・・・)。

世の中にはMBA受験のエッセーカウンセリングというとてつもなくニッチな業界でそれを生業として活躍されている人々が存在しています。大切なのは、自分にとって適切なカウンセラーを選ぶこと、選んだら徹底的に信頼すること(それでもダメだったらやめればいいだけです)だと思います。但し、信じることと盲目的に従うことは全く違います。あくまで自分は自らの目的の達成のために、その補助となるカウンセラーを自らが活用しているという主従関係を軸にしないと、いろんな意味で不幸になります。また、実績ももちろん大切ですが、自分とのフィットを注意深く判断することが必要だと思います。

但し、それなりの出費が必要となることは覚悟が必要です(デバリエ氏にいわせれば、そもそも進学先には大金を支払うのだから、カウンセリングなんてその消費税程度だ、ということですが・・・)。もっとも、どこのカウンセラーをどの程度使うかによって、必要となる費用は、中古のおんぼろ軽自動車から欧州のプレミアムコンパクトカー程度までの差が出てくると思います。私の場合は、多分その中間から少し下くらいでしょうか・・・。ご想像にお任せします。



11. インターフェースでの経験

インターフェースを選択したのは、いくつかの同業他社を見て回った結果、コンサルタント、スタッフ共に、一番プロとしてのプライドがあると感じたからです。業務上、例えば弁護士・会計士・FAといった専門的職業の方々と仕事をする機会が多いのですが、専門家の中でも、プロとしての自覚に満ち溢れた方との仕事は本当に面白いものです。インターフェースの人々は、自らの仕事が提供する価値に自信をもっていると私は感じました。

インターフェースにおけるメインのエッセーカウンセリングは、毎週同一曜日、同一時間の二時間枠を設定して提供されます。インターフェースにも数名のカウンセラーがおり、人によってスタイルは全く違うようですが、私が選択したのはデバリエ氏でした。彼は決して感じが良いわけではありません。最初の彼との面談で、「他社と比較してインターフェースの優位性は何ですか?」と聞いたら、ちょっとむっとしながら答えたうえで、「他の受験生と比較してお前の優位性は何だ?」と返されました。人づてに彼のことは聞いていましたので、「きたー、これか!」と悦に入りました。それ以降も、彼には非常に挑戦的な態度で臨まれました。エッセーについては、特に初期の段階において、何度も何度もダメ出しされ、書き直しを命じられました。私は彼に提出した全エッセーの履歴を保存しているのですが、確かに最終的に学校に提出したエッセーと最初のバージョンの間には、決定的な質の差があります。従って、書き直しを命じるにあたっては、それが質的にまだ合格の域に達していないという客観的な判断のもとにそうしていたのだと今では理解しています。合格に値する質をその経験からよく分かっている、というのが彼の強みだと思います。

プロとしての気質は、彼のサービスの端々に感じられました。各学校の特色についての知識、タイムマネジメント、そしてプライドと自信です。私は性格的に彼とはかなりフィットしたと思います。ただ、上記9でも述べましたが、それぞれの方にはそれぞれのフィットがあるかと思いますので、そこは冷静にご判断されるのがよろしいかと思います。

面接対策では、別のカウンセラーにもかなりお世話になりました。受験仲間の間でそれはそれは厳しいことでかなり有名なカウンセラーによるトレーニングは、トレーニングを数回こなしたあとでは、どのinterviewerも慈悲深く感じられました。彼からは、最終的には”You are very good. I’m sure you do it well at any school,except Harvard.”といっていただき、若干微妙ではありますが、Harvardを志望していなかっ た私には大変自信になりました。

また、スタッフの方々も受験生に対していつも真摯にご対応されており、改めて感謝したいと思います。

そして、インターフェースでは、それぞれの志をもった貴重な受験仲間に出会うこともできました。受験はなかなか孤独なプロセスであり、同伴者がいることは大変心強く感じるものです。また、受験における様々な情報を効率的に手に入れるためにも、多くの仲間と繋がることが重要だと思います。



12. 最後に

今振り返って思うのは、合格を得るまでのプロセスは、ビジネスにおける成功までのプロセスそのものだということです。私は営業の経験が長かったのですが、相手を徹底的にリサーチし、人脈を築き、仲間を見つけて情報を交換し、自らを奮い立たせ、相手に売り込み、適切な費用で外部リソースも活用しつつ、仕事とプライベートのバランスを取りながら、突発的なトラブルにも適切に対処し、最終的に相手にYESといわせる、という一連の作業は、とてもクリエイティブかつ全人格的な挑戦です。

そしてそのプロセスにおいて最も大切なのは、結局何故そんなことをやるのか、どんな結果を得たいのか、という動機だと思います。お仕着せの動機では、いつか破綻します。自らの内なる声に耳を澄まして本当の動機が見つけられたなら、きっといい結果が得られると思います。
以上、何かご参考になるところがあったら幸いです。





大学院留学 合格体験記
Pennsylvania WhartonMBA(ウォートンMBA) Class of 2010