USC MBA 合格体験記

留学先:南カリフォルニア (Marshall MBA)

大学院出願準備記(出願エッセイ、インタビュー対策など)
MBA合格体験記 No.268






留学先:USC (Marshall)
そのほかの合格校:Babson、UC Irvine
Waitlist:CMU
不合格校:Harvard、Stanford、UCB、UCLA、MIT、Virginia(Darden)、UT Austin(McCombs)
経歴:京都の国立大学卒業、東京のIT企業に就職、5年の勤務をへてMBA留学へ。
学びたいこと:起業(entrepreneurship)とエンターテインメントビジネス。IT業界にいたので、ITに強いスクールが望ましいと考えた。
TOEFL:270(25、28、30)
GMAT:700

「TOEFL 190からのMBA留学」——僕のMBA挑戦をひとことでまとめるなら、こんな言葉があてはまります。帰国子女でもなく、社費派遣でもなく、ましてや外資系コンサル/大手商社のバックグラウンドがあるわけでもない。IT企業に勤めるサラリーマンが私費でMBA留学を志してから約2年で、ここまできました。

結果的にはITとアントレに強く、エンタメビジネスも学べるUSC Marshallが僕の行くべきスクールだったようです。憧れの西海岸・ロサンゼルスにいけるということで、満足のいく結果になりました。

[ 時系列 ]

2004年
5月 MBA挑戦を思いたつ。ネットで情報収集
5月末 TOEFLの模擬テスト受験。190点という結果にガクゼン
6月 TOEFL 220点(22、21、23)
7月 TOEFL 233点(23、24、23)
   この結果を見て可能性アリと判断、高い授業料を払い予備校へ
8月 GMAT対策講座でお勉強、並行してTOEFLも勉強
9月 TOEFL 253点(23、26、27) もう一声!
10月 TOEFL 243点(21、26、26) む、むしろ下がった……
年末 エッセイなどに着手。1年目での受験をあきらめて2カ年計画に。

2005年
1月 TOEFL 270点(25、26、30) 受験ルームで声を押し殺しガッツポーズ
2月〜4月 オフィシャルガイドをせっせと解く
5月 GMAT 590点(V24 Q47) 初受験としてはまずまず?
8月 GMAT 590点(V20 Q50) あんなに勉強したのに上がらないとは……
9月 GMAT 660点(V31 Q49) ひとまず「勝負」できるレベルに。
   DardenとUT Austinへの願書を書き始める。
11月 GMAT 700点(V32 Q51) 再び受験ルームでガッツポーズ、700点に届いた!夢がふくらむ
12月 Darden書類落ち 相手にもされなかったことにがくぜんとする → インターフェイスに駆け込む
年末 前年に準備していた(つもりだった)エッセイの総みなおしに着手

2006年
1月〜2月 USC、UCB、UC Irvine、Babson、MIT、CMUに願書送付
2月 UCLAの3rdに願書を送ってみる
3月上旬 UT AustinからThin Letterが届く。不合格通知って本当に薄い……
3月中旬 いちおうHarvardとStanfordの3rdに願書を送ってみる
     CMU ウェイトリスト(インタビューの手ごたえはあったが)
3月末 合格ラッシュ! BabsonとUC Irvineが奨学金付き合格!USCにも合格!
4月以降 トップ10スクールから続々と不合格通知。USCで確定

以下、対策です。そうとうもがきにもがきました。



●TOEFL

WritingとReadingは、独学でなんとかなりました。ポイントは語彙で、やはり知らない単語を相手にしているうちはどうにもなりません。単語帳をつくってせっせとボキャブラリーをふやしたところ、Readingは最終的に30点満点をとれました。2000〜3000語、新たに覚える気持ちでがんばって下さい。

問題はLinsteningで、学生のときTOEIC 840だったのでなんとかなるかと思ったら、歯が立ちませんでした。初めて模擬テストで聞いたときは、本当にちんぷんかんぷんでした。

対策としては、よく言われることですが英語を聞きまくるしかないです。慣れてくると「次はこう言うぞ」という先読みもできますから、だいぶ違ってきます。朝晩の電車の中など、ひまをみつけては英語の教材CDをききました。またTOEFLのPowerprepは、30点満点をとれるまでやりこみました。独自の工夫としては、CBS Newsのネット放送を聞きました。これはブロードバンド環境さえあれば無料で視聴できるもので、おすすめです。これを毎日聞いたら「L25」の壁をかろうじてクリアできました。



●GMAT

GMATは予備校の教材をさっとこなした後は、ひたすらオフィシャルガイドを解きました(Verbalは全問3回解いた)。

SC:意外に苦労しました。やりこむうちになんとなくルールはつかめるのですが、最後の感覚的な部分がやはり分からないのです。5択のうち「これはhavingがあるから論外、これはnot only〜but alsoの形式に沿ってないからアウト」と削っていっても、最後の2択ぐらいで外すことがしばしばありました。最後まで正答率は7〜8割で、本番でもたぶんそうだったと思います。

CR:これはなぜか得意でした。論理パターンをつかむと、結構簡単に解けたりします。「学者はこう主張している」→「学者が言ったからって論理的には何の意味もない」のような“間違いパターン”もいくつかあるので、慣れれば「これは論外、これもアウト」と手際よく絞り込めます。正答率が8割に届くことすら、しばしばでした

RC:4つのパッセージのうち、1つは捨てました(ランダムクリック)。最終的にはラストの問題を解ききってタイムアップだったので、タイムマネジメントとしては上出来だったと思っています。RCは対策らしい対策はなく、半分ぐらい正答できればよし、と思っていました。

AWA:これもあまり対策はないのですが、とにかく文字数だけは多く書くようにしました。文字数がないと、どんなに鋭い議論を展開しても4点以上になり ません。まあ、最終スコアは4.0なのでえらそうなことは言えませんが。

Quantitative:GMATの中で、ポイントになるのは実は「VよりQだ」と思っています。簡単な問題が多いのですが、数学用語が英語で出てくると分からなかったり、統計の「ナニコレ?」という問題で間違えたりして、満点をとるのは容易ではありません。しかし、ここは満点をめざすべきです。

より具体的にいうと、Vで30とったとして、Qが49(2〜3問間違い)なら650点にしかなりません。しかしQが50(1問間違いぐらい?)なら、680点でトップスクールに出願できます。僕のようにVが32でも、Qが51なら700点に届くのです。理論上はV31でも700を超えられるようです。

僕の場合は、オフィシャルガイドでQuantitativeを2周しました。50問/2時間ぐらいで解けますので、数百問解いたところでたかが知れています。もう1つ強調したいのは、本番での集中力。1分1秒をおしむ感じで、集中してください。僕の場合は10分以上時間を残して終了し、「ペース配分を間違えたか?」と思いましたが、51点満点という結果がでました。



●エッセイ

これはインターフェイスさまさまです。せっかくインターフェイスのホームページなので、ここは持ち上げておきましょう。僕は多忙につき、メールでやりとりできるMr.LeClairを選択しました。

けっこう、書いたエッセイをボロクソに言われるのですが(例:「そんなのはlong term goalとは言えない、childish dreamだ!」etc.)仕事柄ボロクソにいわれるのは慣れてますので、気になりませんでした。余談ですが、提出したものを酷評されるのがいやな人はインターフェイスに向いていないかもしれません。

ポイントは、将来の「実現可能で具体的な」目標をたてることのようです。「ババンと起業してスーパーCEOになるぜ」とかはダメです。あとは月並みですが、具体例・具体的な数値を入れることと、リーダーシップをとった経験をしっかり書き込むことでしょうか。LeClairは添削コメントそのものは短いのですが、方向性をぐいっと示してくれるのでやりやすく、1カ月ちょっとでエッセイを仕上げるというタイトスケジュールにも対応してくれました。



●インタビュー

インターフェイスのエッセイ・カウンセラーによるインタビュートレーニングをうけました。これがまた「吠える」という表現がぴったりなくらい手厳しいトレーニングで、ボロボロにされました(例:質問に対し“Well……”と一呼吸おくと「Wellなんて言うなーー!!! 簡潔に素早く答えろーーー!!!」とどやされる、といった具合)。ただ、ここでの想定問答集がUSCにぴたりとはまって、入学審査官相手に臆することなく答えられたので、よかったと思っています。



最後に:

MBA留学では、才能にあふれたエリートもやってきます。僕のように才能のない人間が勝負するにはどうするか。答えはひとつ「あきらめない」ことです。何度あきらめようと思ったことか……

たとえば、こんなことがありました。GMATのテストでQuantitativeのテストを解いていて、時間が足りなくなってしまったのです。最後は呆然としながら、ランダムクリックで2〜3問回答しました。これではQ:46〜48がいいところです。次のVerbalが始まるまで、休憩時間はそれほどありません。ここで僕はトイレにいき、鏡をのぞきこみました。それから顔をバシャバシャ洗って、なんとか切れそうな気持ちをつなぎとめました。結果的にランダムクリックが当たっていたらしく、そのテストはV:31、Q:49で、660点とまずまずのスコアをとれました。ここで650のラインを超えたことで、精神的に非常に楽になれたのです。間違いなく、ここがMBA受験の分岐点でした。

「オレなんかがMBAに受かるのか」と思っている人もいるでしょう。でも、なんとかあきらめずに頑張ってください。きっと大丈夫、TOEFL 190点の僕ですら受かったのですから。





大学院留学 合格体験記
Southern California USC MBA(マーシャルMBA) Class of 2008