留学先:ニューヨーク合格体験記 (Stern MBA)
大学院出願準備記(出願エッセイ、インタビュー対策など)
MBA合格体験記 No.352
1、 出願結果、プロファイル
合格:NYU (2nd、進学校), Kelley(2nd), Olin (2nd)
不合格:Columbia(Regular), Wharton(2nd), MIT(2nd), UCLA (2nd)
Wait list:Kellogg (2nd)→辞退
途中辞退:Cornell
TOEFL (iBT):Total 103 (R29, L29, S20, W25)
GMAT:Total 720 (V36, Q50), AWA 4.5
GPA:3.3(国立大学法学部)
職務経験:都銀7年間、社費
海外経験:4年(ロスアンゼルス、現在勤務中)
2、 総括
海外MBA受験は想像以上に厳しいプロセスでした。前年に受験をされた方の体験記や直接お話を伺った結果、「とにかく全て前倒しでこなしていく」ことが大切であることは分かっていたのですが、なかなか実行に移せず、結局12月半ばまでTOEFL・GMAT・エッセイの三重苦が続くことになってしまいました。秋以降は肉体的にも精神的にも厳しい時間が続きましたが、ありきたりではありますが自分を信じて前に進み続けることで何とか結果を出すことが出来ました。私もそうでしたが、思ったような結果が出ないと途中で目標を見失いがちです。テストでいい点数を取ることが目標なのではなく、志望校に合格することが目標になるということは忘れず受験勉強に取り組んでください。
3、 テスト対策
試験時 合計 R L S W
第1回 2008/01/05 86 24 26 18 18
第2回 2008/03/01 84 27 17 18 22
第3回 2008/05/03 93 27 24 18 24
第4回 2008/06/18 94 23 29* 18 24
第5回 2008/08/02 94 29* 27 18 20
第6回 2008/08/23 90 23 26 17 24
第7回 2008/09/20 97 28 27 18 24
第8回 2008/09/27 95 28 27 18 22
第9回 2008/10/25 100 29* 29* 18 24
第10回 2008/11/08 102 29* 27 19 27*
第11回 2008/11/22 103* 29* 29* 20* 25
*:最高点
最後は103点に到達しましたが、中々点数があがらず苦労しました。iBTは一朝一夕にスコアが上がるテストでは無い一方で、トップ校は105点以上が目線ということで、地道に実力を上げていく必要があると思います。各セクションのスコアが揃わないとTotalで105点以上達成は難しく、運不運もあるため何回も試験を受けた方がいいと思います。
以下、科目毎にポイントをご紹介します。
(Reading)
Readingは単語力に尽きると思います。単語力がついてきてからは、安定して28〜29点が出ました。GMATの方が要求されるスピード・単語量は多いため、個人的な意見ですがTOEFLのReadingだけのための勉強をするよりもGMATの勉強をした方がいいかもしれません。
(Listening)
海外で仕事をしていましたが日系企業の担当だったため、一日英語を耳にしない日もありました。そこで意識してテレビやラジオをつけっぱなしにする他iPodで英語のpodcastをダウンロードして通勤途中で聞く等英語を聞く機会を増やした結果、比較的安定して点数が取れたと思います。
(Speaking)
ある程度パターンを作って回答していましたがSpeakingは結局20点から上がりませんでした。20点を取ったときも今までに比べてもどこがよかったのかよく分かりませんでした。個人的には勉強した量に対して最も点数が上がりづらいSectionなのではないかと思います。最終的にはSpeakingで20点前後しか取れなくても他のSectionで点数を稼いで最終的なスコアメイクをする方向を目指した方がいいかもしれません。
(Writing)
まずはテンプレートを覚えてひたすら書く練習をするのがいいと思います。但し私の場合には最初のうちは使ったテンプレートがイマイチだったのか、どれだけ受けても25点を越えませんでした。他の方にお伺いしたところ、予備校のテンプレートをそのまま使うのではなく一部加工した方が言いといわれたので実践したところすぐに3点ほど点数が上がりましたので、色々テンプレートを試して自分で一番いいものを見つけるのがいいと思います。
2) GMAT
試験時 合計 V M AWA
第1回 2008/06/14 640 27 50 4.0
第2回 2008/07/26 610 21 50 3.5
第3回 2008/09/06 640 25 51 4.5
第4回 2008/11/11 640 25 51* 5.0
第5回 2008/12/15 720 36* 50 4.5
* :最高点
オフィシャルガイドを解いてみると分かると思いますが、時間をかけることが出来ればどうしても理解できないようなレベルの問題はそれほどありません。いかにして各問題に割ける時間を捻出するかがポイントになると思います。問題文を読むスピードを上げるのは単語力、問題を解くスピードを上げるには問題をひたすら解き続けることだと思います。
問題の形式になれるためにもGMAT Prepを先にやることをお勧めします。私の場合には11月に入ってからGMAT Prepをやったのですが、本番とまったく同じ環境で模擬試験が受けられますので、これを繰り返すことで感覚が養われてスコアに結びつくと思います。
(Verbal)
SC・CRは解法・定石を一通り理解した後は問題演習で形式になれることだと思います。私はGMATの点数を左右するのはRCの出来なのではないかと思います。最初の4回は時間配分がうまく行かず、RCの問題文を全問しっかり読んで回答することが出来ていなかったのですが、読むスピードが上がった5回目は全て問題文を読んで回答出来て、結局スコアも大幅にアップしました。GMATのRCはTOEFLのReadingより問題の難易度は若干上がる程度ですが、単語と要求されるスピードのレベルは大分上がりますのでとにかく単語力と読むスピードをつけることをお勧めします。
(Math)
私の場合はずっと数学が得意だったこともありMathについてはオフィシャルガイドの問題を少し解いてMath特有の単語に慣れた後はほとんど対策を何もしませんでした。しかし、結局51点を取れたのは5回中2回だったので詰めが甘かったのかもしれません。Mathの50→51は、Verbalの1点より全体のScoreに与えるインパクトが大きいらしいので、Mathが得意な方も最後の1点にこだわってスコアアップにつなげる方法もあると思います。
(AWA)
AWAはマイスターのTemplateをベースに一部変更を加えて臨みました。GMAT用のテンプレートを覚えた以外は特にAWA用の対策はしておりません。TOEFLを受け続けることとエッセイを書くことがAWAの点数向上につながると思います。
4、 エッセイ
9月からInterfaceでエッセイカウンセリングを開始しました。週に2時間(約4万円)の枠を買い、何があってもキャンセルはできないシステムなので、いいペースメーカーになってエッセイ作成を進められると思ったことと実績が高かったことが理由です。2ndで出願をするためには遅くとも9月にはカウンセラーを決めてエッセイをスタートする必要があるため、できればそれまでにテストスコアをそろえておいた方がいいと思います。
カウンセリングでは、最初は中身についてはあまり注文がつかず、英語の表現を直してもらうことが多かったため、そもそも自分の書いたネタが各校のAdmissionに通用するものなのかどうか不安になった時期もあったのですが、ある学校のエッセイで「このエッセイは学校が要求しているものから外れているので書き直すように」という指示を受けたことがあり、書き直し作業が発生することにがっかりしたと同時に「内容もちゃんと見てくれていた」ということに安心感を感じたことを覚えています。カウンセラーに見てもらったエッセイは内容が同じであっても表現を変えたり不要な部分を削ることにより、メリハリのついたインパクトのあるものに仕上げてもらったと思います。
各学校様々なエッセイ課題がありますが、基本になる(どこの学校でも聞かれる)のがCareer Goal、 Why MBA?、 Leadershipです。最初は各エッセイのネタを出すのに苦労すると思いますが、自分の思い出に残る案件をいくつかリストアップして、その中で自分が何を考えどういった行動を取ったかという切り口から深掘っていくと色々な質問に対して比較的書きやすくなってくると思います。(例えばある案件で色々な障害を乗り越えて結果を出した場合などは、その障害に焦点を当てると「自分がした失敗」について述べられますし、乗り越える過程を重点的に書くと「Leadership」についてのエッセイが出来上がります。当然全体についてバランスよく書ければ業績についてのエッセイに対応できるのではないでしょうか。)
5、 インタビュー
授業での貢献度を重視する昨今の傾向からすると、英語でコミュニケーションを取れるかどうかが分かるインタビューの重要性は従来以上に高まっていると思います。私の場合にはインターネット上、あるいは在校生から各志望校のインタビュー過去問を入手し、それに対する想定問答を作って何度も繰り返し練習しました。英語で話さなければいけないという壁はありますが、答えなければいけない内容や答え方等は基本的に日本語の面接とそれほど変わらないと思いますので、事前に想定される質問について回答を準備しておくことと、相反しますが意表をついたことを聞かれても動じない精神力を持っておくことが大事なのではないかと思います。
6、 終わりに
この1年間、受験準備で精神的にも体力的にも相当厳しく、受験勉強の途中では本当にどこにも合格できないのではないかと思った時期もありましたが、最終的に合格を勝ち取ることが出来たのはカウンセラーと、Devalierさん、小粥さん、小貫さん、金崎さんをはじめとするスタッフの方々のお陰です。この場を借りてお礼を申し上げます。留学を目前にした今になって考えると、TOEFLの地道な勉強をしたおかげで英語力も格段に向上しましたし、エッセイを作成する中で「自分はなぜビジネススクールで学びたいのか、卒業後キャリアを描いていきたいのか」という最も基本的なところについて自分の意志をしっかり固めることができて自分の成長につながったと自信を持って言うことが出来ます。
この受験体験記を読まれる皆様も、受験プロセスの中では色々なことが起こりますし挫けそうになることもあるかと思いますが、ビジネススクールでまだ見ぬ同級生と切磋琢磨しながら勉強している姿を思い描くことで苦しさを乗り越え、喜びを手に入れられることをお祈りいたします。
以上
大学院留学 合格体験記
NYU SternMBA(スターンMBA) Class of 2011